高校と聞いて皆さま、どのようなことを想像するでしょうか。絵具だらけになりながらの文化祭準備、初々しい制服デート。テスト前の友人達との勉強会、結局皆遊びだしてしまうけれど、そんな時間がたまらなく好きで…。
そんなものはない
はい、ありません。ぼっちにとっては。祭りの的屋の当たりくじや真実の愛同様にこの世に存在しません。
文化祭では一切の仕事を任されませんし、デートどころかまともに女の子と話した記憶すらありませんし、そもそも勉強は一人でやるものですよね。甘ったれないでください。
とは言え、高校ぼっちとは辛いものです。青春を謳歌する権利を剥奪される苦しみは当事者になってみないと分からないので理解も得られにくいですよね。
何を隠そう筆者はガチガチのぼっちでした。ただ授業を受け、誰とも喋らずに帰宅する毎日。無味乾燥な学校生活ですが休むわけにもいきません。卒業がかかっていましたので……。
結局私は3年間ぼっちのまま一日も休まず皆勤賞を成し遂げました。
この記事では、全国の迷えるぼっち仲間の皆さまのために、「高校ぼっちが学校生活を乗り切る方法」をご紹介いたします。友達を作る方法ではありません。なぜなら筆者が知らないからです。
ぼっちは云わば人間関係の輪から外れた存在です。なのでクラスの人間関係なんてどうでもいいのでは?と考えてしまうかも知れません。しかし、人間関係、クラスのパワーバランスに目を光らせることで、ぼっちは身を守ることが出来るのです。
いったい何から身を守れるのかと言いますと……。グループ作りです
ぼっち界隈では常識なのですが、最も過酷なのは、誰かとグループを組まされることです。無策では間違いなく余り物になってしまいます。
そこで、人間観察の出番というわけです。
ぼっちがグループを組むのに大切なことは、組んでくれそうな人を探し出すことです。まずはクラスで周りを見渡してみましょう。
すると、人は陽キャとぼっちに必ずしも分けられないということが分かります。一見集団でワイワイ遊んでいても、なんとか集団について行っている人が必ず存在します。クラスの中心人物ではなく、その人物を見つけてマークしておくと良いでしょう。
グループを組むことになったら真っ先にこの人に話しかけましょう。ここはかなり勇気がいるでしょう。しかし安心してください。不安なのは実はその「集団について行っている人」なのです。
我々ぼっちは開き直りの領域にありますが、彼らのような人物は違います。ぼっちになるまいと日々人間関係を取り繕っています。
そんな中、グループを組まなければならないとなれば内心穏やかではいられません。もしも余ってしまったらどうしようと思っていることも多いです。そのため、我々ぼっちと仕方なく組んであげる、というのはある意味逃げ道になるのです。恐れずに話しかけてOKです。
私は高校時代、幾度となくこの手法でぼっちを回避し続けました。身に付けたのは最後の一年間でしたが……。
特定の人をマークすればいいとは言え、いつも同じ人に頼るわけにはいきません。なぜなら、その人がもし特定の誰かと仲を深めてしまえばお払い箱になってしまうからです。それに、「ぼっちだからって付きまとっている」などと心無い中傷を受けかねません。
そこで大切なのは、人間関係に疲れた人を引きずり込むことです。
弱った人を引きずり込むクラーケンになりましょう。
そもそも人間関係とは流動的なものです。突然上手くいくこともあれば突然孤立してしまうこともあります。そういった変化を俯瞰的に捉えられるのがぼっちというポジションなのです。実際に関わっている人たちだとどうしても好き嫌いや色眼鏡が入りますからね。
「あいつ、今人間関係に疲れてるな」
ここまで分かってしまえばグループ分けは怖くありません。時間はかかりますが、少しずつクラスの人間関係に目を向けていきましょう。
部活、それは高校生活を彩る青春の象徴です。しかし、ぼっちにとっては多くの場合辛いだけです。長時間に及ぶ授業で既にクタクタなのに部活動に打ち込むのは負担が大きすぎます。
というわけで、もしも部活動でもぼっちなのであればそんな我慢大会は辞めてしまいましょう。部活動というものは友人関係があって初めて青春の象徴足り得るのです。筆者もぼっちの状態で一年半部活動を続けましたが、ひたすら虚無でした。
部活はあくまで本人の意思で行うものです。なので、必ず部活に入らなければならないなどという決まりは存在しません。
もちろん、活動内容そのものが大好きなのであれば続けるのも良いでしょう。たとえ一人でも技術を磨き、やりがいを感じられるならそれに超したことはありません。
しかし、一度胸に手を当てて考えてみてください。自分は本当にそれをやりたいのでしょうか。運動部であれば放課後に雨で練習が中止になるのを心のどこかで願ってはいないでしょうか。ちなみに筆者は部活動の前日には本気の雨ごいをしていました。
惰性で続けているならすぐにでもやめましょう。ぼっちとは、学校に行っていない時間が長ければ長いほど幸せになれる生き物なのです。
しかし、ここで問題になるのが部活の辞め方ですよね。自然とフェードアウトできればそれに越したことはないですが、大抵の場合は部長や顧問に直接申し出る必要があります。ぼっちは空気のような存在ですが、空気にはなれないのです。結論から申し上げます。
私は、部長ではなく顧問に退部を告げる方法を強くおススメします!
顧問の先生と話すのは緊張するかも知れませんが、それでも顧問の先生に先ず伝えることをおススメします。
理由は「引き止められ難い」からです。
では、想像してみてください。とある部長が部員から退部の決断を聞いたとします。部長であればこの部活にはやりがいを感じているでしょうし、組織への帰属意識も強いでしょう。
当然「引き止めたい」という感情が沸き上がってきます。顧問も同様の思いを持つことが多いでしょうが、部長程感情的には行動しないはずです。嫌々部活を続けさせれば、パワハラに該当する可能性も出てきますからね。
部長と言えど一人の生徒。部員が辞めたがっているという話が持ち上がれば一瞬で部内ネットワークで共有されてしまうでしょう。非ぼっちの情報網の速さを甘く見てはいけません。
すると顧問にその話を上げることなく、集団で引き止められかねません。集団で引き止められた時、控えめな性格のぼっちくんの大半は、恐らく振り切れずダラダラと続ける道を選んでしまうでしょう。
辞めようとしていることが漏れたら死です!情報が共有される前に水面下で決着をつけましょう。
まさしくタイミングの勝負です。
大切なことを言い忘れていました。
ぼっちならば引き止められても無視です。
「こんなに心配してるのに」「薄情モノ」という誹りを受ける云われはありません。以前から本当に心配していたのなら、ぼっちをぼっちのまま放置しておくなんてことはありません。
つまり、引き止める人の大半は「辞めさせたくない」のではなく「引き止めたい」のです。辞めようとする部員を引き止める自分に酔っているだけでしょう。惑わされてはいけません。
他の記事でもちょいちょい触れていましたが、ぼっちたる者、
ケータイ(スマホ)の電源は絶対に切らしてはいけません
高校の授業というのは往々にして面倒くさいものです。レベルも上がっていきますし着いていけなくなる科目も現れるかも知れません。数学とか数学とか、後は数学とか。
当然心の支えとなるものが必要です。そんな中、普通の高校生は何を心の支えにしているのでしょうか。
それは友人です。学友です。もしかしたら恋人かも知れません。もしも高校がただ勉強をする施設であったなら、創作物でよく美化される組織NO1の座に君臨してはいないでしょう。
しかし、ぼっちにはそんなものありません。高校生活という苦難に対し、孤独な闘いを強いられます。そこで心強い仲間となってくれるのがスマートフォンです。
一度電源を入れればネットの大海が広がっています。ソシャゲにSNS、ネットサーフィンなどは手軽に我々を楽しませてくれます。最強の暇つぶしツールですね。
お気づきになられたと思いますが、ぼっち高校生は必然的にスマホへの依存度が高くなります。孤独故の苦痛を和らげるためにスマホが必須というわけです。
ここで1つ問題が発生します。友達は充電切れを起こしませんが、スマホは割とすぐに充電切れを起こします。フェアじゃないので友達の方も充電切れを起こす仕様になりませんかね。
前述の通り、ぼっちはスマホの充電を切らしてはいけません。スマホのバッテリーは云わばHPと同義なのですからね。0になると棺桶に入らなければなりません。
そこで重要になるのが「モバイルバッテリー」です。これがあれば、充電切れという事態をほぼ防げます。
私は常に2つのモバイルバッテリーを持ち歩いていました。片方が突然壊れても替えが利きますので、高校生活において充電切れを起こした回数は数えるほどしかありません。
数千円出せばそこそこの性能のモノが手に入りますので、ぜひおすすめいたします。
以上、私が高校時代実践していたぼっち高校生活術でした。少しでも全国のぼっち仲間の皆様のためになれば幸いです。
最後に1つだけお伝えしたいのは、長い人生に置いて高校生活なんてほんの一部です。メディアや創作物によって、さも素晴らしいものというイメージを持ってしまうかもしれませんが、必ずしもそんなことはありません。
例え独りぼっちの高校生活を送ることになっても、それはあなたがダメだからではありません。時の運もありますからね。
決して絶望せず頑張ってください!いざとなったら逃げてしまえばいいのですから。
ぼっちで何が悪い!!
ヒカゲ 20代にして自らのスペックの低さから、職場では窓際一直線系男子。趣味はスキーや旅行、漫画やゲームと多種多様です。物を書くのを苦としない特殊な生態をしており、手紙やメールなどの研究中!