気が弱い、仕事が出来ない、女性にモテない、そんな男性はこの時代さほど珍しくありません。男性は自分が金を稼ぎパートナーとなる女性を手に入れなければならない宿命を背負ってきました。結婚という選択肢の比重が重い女性と違い、自分が優秀でなければ世の中で言う「幸せな暮らし」を手にするのは非常に難しいのです(女性は優秀な要素を持たない、又は自分より社会的地位の無い男性と結婚したがらない傾向があるため)
そもそも「男性学」という名前を聞いたことが無い方も多いのではないでしょうか。というのも、この男性学という学問自体新しいものなのです。
男性学という概念が日本で認知されたのは1990年代と言われています。はい、とても新しいですね。1970年代から80年代にかけて女性の権利向上を掲げた女権運動が活発に起こりました。このムーブメントのエネルギーの凄まじさはもはや説明不要でしょう。社会的に不遇な一面を抱えていた女性達が新たな生き方を求め立ち上がったのです。
女性たちが一人の人間として独立していく一方で、男たちも新しい生き方を模索していかなければなりました。理由としては、男性にとって「よい」とされていた生き方が古いものとなってしまったからです。女性、もといパートナーを力強く守り、バリバリ稼ぎ一家を養う、そんな生き方が当たり前だったのですが、女性も働き独立する流れ、つまりフェミニズムの台頭によりそれは脆くも崩れ去ったのです。
そんな変化にさらされる中、これから男性はどうあるべきなのか、男性の幸せとは何なのか、それを考察するのが「男性学」というわけです。
男性学はある意味、新しい時代の男性の在り方を考察する学問です。かつての社会であれば経済力の無い、収入が低い男性は「男失格」の烙印を押されることが多かったでしょう。妻子を養い立身出世を目標とするのが男性のスタンダートな生き方だったからです。しかし、これからの男性に果たしてそこまでの重責を課す必要があるでしょうか。働いても給料は上がりにくく将来の不安もぬぐえない。女性の年収は上がり、彼女たちの中にも結婚しない生き方が広まりつつあります。
要するに、男性学において女性はもはや男たちに守られるべき存在ではないという解釈もできるのです。となると、男性は自分が生きるために最低限の金を稼ぎ、自分の身の丈に合った愛すべき趣味を見つければ十分に幸せに暮らせます。
金を稼ぎ養う責務から男性を解放する、この思想こそ金を持たない男を否定しないという当たり前を達成するために必要なことだったのです。
現在は男性の奥手化が進み、恋愛経験の無い男性もそれに付随し増加しています。従来であればもてない男は「欠陥品」などと揶揄され半人前の烙印を押されるところですが、モテないという事実を肯定するだけでモテない男性も楽に生きられるようになるのです。
男性学では男性がいかにバーチャルの世界に逃げることなく、生身の女性と恋愛し結婚することの大切さを説く傾向にあります。そのため、私個人の解釈が入りますが、ポルノや多く娯楽が氾濫する今、必ずしも人生の大半を結婚生活に割く必要はないのではないかと思います。
というのも、昔は結婚というものが云わば一定の幸せを確保するための手段だったのです。しかし、幸せの形が多様化し女性もフェミニズムの発展により覚醒し始めている今、我々弱者男性は心身ともに消耗してまで結婚を追い求めることの是非を問われているのです。
「男なら~」「男だろ」といった発言を男性学は否定する立場にあります。上でも述べたように、男性学はフェミニズムの台頭により生まれた学問です。そのため「女なら~」を否定するフェミニズム同様に「男なら強くあるべき」を否定するのです。
日常生活の中でも男の強さが要求される場面はあります。男性というだけで力が強いことを期待されたり、気持ち悪い虫の処理を頼まれたりといった場面が思い浮かびますね。男の中にも力の弱い人もいますし(ブログ主は女子よりも力が無いです)虫は男の人でも普通に嫌いです。これらを断れば「弱い男」の誹りは免れないでしょう。そこで男でも嫌なものは嫌だと言っていい、という考え方をすることで「男らしさの呪縛」から解放されるというわけです。
ただし、これを主張する場合は女性に対して「女なら~」という発言は慎まなくてはなりません。ダブルスタンダートにならないために大切なことです。
そこで、どのようにすれば男性は欲求をある程度満足させつつ、男らしさを捨てられるのかを考察していきたいと思います。
男性には本来、競争意識というものが備わっています。収入という面でもそれは例外ではありません。仕事が出来る優秀な同僚に置いて行かれたり、銀行口座の預金残高を見て落ち込むのも根底には無意識の競争意識があるのです。
これは定収入に喘ぐ男性を救済する上で大きなヒントになります。収入が低いことそのものではなく、周囲との比較が原因なのであれば、比較が発生しない状況を作り上げましょう。高収入の人が晒されているであろう問題をピックアップして見ると……。
・仕事が忙しくて自分の時間が作れない ・モラハラ、パワハラ
・通勤電車が辛い ・定年後の過ごし方が分からない
・会社に生かされている ・責任が大きくなる
・上司との人間関係、説教
通勤電車に揺られ都会の喧騒に疲れる人が多いのであれば、いっそのことフィールドを変えてしまいましょう。デメリットも多いですが、仕事は想像よりもたくさんありますし、物静かな雰囲気を好む方はマッチするかも知れません。サービスの競合が少ない分、起業という選択も生まれやすいです。そうすれば上司との人間関係や会社に生かされている感覚すら打破することが出来ます。
会社員や工場で働くとどうしても成功者を見て心が暗くなったり、自由な時間を切り売りしてまで得る安い給料に価値を感じなくなる事が多々あります。強者と同じ土俵で息を切らしながら働いても、仕事中心の生活をしている限りは、比較の生き物である男性は幸せになるのは正直難しいです。
そこでクラウドソーシングなどを活用し「時間と人間関係」に縛られない働き方をしてみるのはどうでしょうか。
俗にいう成功者すら手に入るかは分からない自由を生活の主軸にするのです。そうすることで晴れて比較の呪いから解放されると私は考えます。ただし、しばらくは会社を辞めずに、自分に出来ることを見つけて従来の労働と並行して取り組むことをおススメします(当然忙しくなりますが)
まず、結婚と聞いて男性の皆様はどのようなことを思い浮かべるでしょうか。何となく強い絆で結ばれている関係と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、それは間違いであると、数十年前に「熟年離婚の増加」という形で突き付けられました。よくあるケースは、男性側は夫婦関係を絶対視して絆を感じていたのに対し、女性側はすっかり冷え切っていたというものです。最悪の場合、自分を嫌っている相手に延々と養育費だけを払い続ける結果になります。
離婚率が年々増加している上に生涯独身の方も増えている今、結婚に対する幻想を捨てるべきではないでしょうか。
前述のように、離婚率に増加により、夫婦関係は確実に絆を育めるシステムではなく、男女関係の延長に過ぎないという結果が推測できます。自分が本当に他人と過ごす時間が好きなのか、もう一度考えてみるべきでしょう。
二次元、三次元問わず現代のネット社会ではポルノが氾濫しています。しばしば問題になるのは事実ですが、これらの現象は生身の女性との関係構築が難しい男性にとっては必須のコンテンツと言えます。事実、現代では若者の恋愛離れが進んでいます。いつでもポルノにアクセスできる環境を手にしたことで恋愛の「コスパの悪さ」が浮き彫りになった形です。
いっそお金で解決してしまうのも手でしょう。
出世に執着しない生き方を前項で紹介しましたが、結婚生活はそれとあまりにも相性が悪いです。結婚して子供を持つことになった場合、子供一人につき2000万~3000万円もの大金がかかります。
となると、先程の生き方ではそれほどのお金を用意するのは難しいです。それも当然です。なぜならその生き方は「競争から降りた生き方」なのですから。
妻にも安定した仕事を求められますし、妻の方に合わせた暮らしが求められることもあるでしょう。経済的な意味でも精神的な意味でも自由が奪われ、降りたはずの競争に戻らなければならないことを念頭に置かなくてはなりません。
※結婚そのものを否定している訳ではありません。競争に身を投じ、自由を捧げてまで幸せにしたい人が現れたならそれはとても幸せなことです。リスクを理解したうえでアタックしましょう。
筋トレしましょう。一番手っ取り早いです。テストステロンが分泌されて成功体験を手にすることが出来ます。
「筋肉は裏切らない」
以上です
というわけで本記事では、弱者男性を救うポテンシャルを秘めた男性学をご紹介いたしました。今までの価値観を否定し、新たな幸せの形を見つけることで、男らしさの鎧を脱ぐことが出来るのです。
とは言え、ただの精神論で新たな幸せの形をつかみ取るのはなかなか厳しいです。これではただ現状を思考停止で受け入れているだけになってしまいます。
そこで、先程ご紹介した、「男らしさの鎧を脱ぐための方法」を振り返ってみましょう。収入が無ければ代わりに生活様式を変える、又は自由な時間を追求する。恋人や妻がいないなら新たな娯楽やポルノを活用する。気が弱いなら肉体だけでも鍛えておく……。
お気づきになられたと思います。これらは全て、かつて幸せの形とされてきたものを代替品、又はそれ以上の価値を持つもので置き換えると言う方法を取っているのです。
モノや情報が飽和する時代だからこそ多くの選択肢があります。だからこそ、かつて結婚と出世が幸せの形だった世代では見つけられなかったものを見つけることが出来るかも知れません。
それが可能なのが男性学という学問なのです。
このブログでは今後も男性学に関する情報を発信していきます!
ヒカゲ 20代にして自らのスペックの低さから、職場では窓際一直線系男子。趣味はスキーや旅行、漫画やゲームと多種多様です。物を書くのを苦としない特殊な生態をしており、手紙やメールなどの研究中!