就職エージェントって実際どうなの?なぜ信用ならないと言われてしまうのか…  ~新卒就活生の体験談~

Pocket

就活は多くの学生にとってあまりにも大きな壁として立ちはだかります。何度もお祈りメールをもらううちに、「自分は社会から必要とされていないのではないか」と考えてしまう人も決して珍しくありません。

そんな就活生の悩みを解消してくれる存在の1つが就活エージェントです。彼らは今募集を行っている企業を就活生に紹介したうえで面接対策まで行ってくれます。しかし、就活エージェントに関してはよくない噂もちらほら見受けられます。

そこで、実際に利用経験のある私が就活エージェントの利用する上でのメリット、リスクや正しい使い方について考察しました。就活エージェントを使いたい!と考えている方がおられましたらぜひ参考にしてください。

就職エージェントを利用するメリット

面接対策やエントリーシートのアドバイスを貰える

就職エージェントは言うまでもなく、採用活動を行う様々な企業とコンタクトを取りますし、毎年多くの就活生を見ています。そのため、通りやすいエントリーシートや就活において有利になる面接の受け方についてのノウハウを持っています。

就職エージェントを利用すると大抵の場合は上記を生かし丁寧な面接対策、エントリーシートの添削を行ってくれるでしょう。具体的にはその企業の社長の名前から今後のビジョンまで先回りして教えてくれるため面接では俄然有利です。例えお祈りメールを頂く結果になろうともエントリーシートの基本的な描き方などはどこの企業でも通用する物なので決して無駄にはなりません。イメージとしてはより長期的に面倒を見てくれる、大学の就職支援課と言ったところでしょうか。

自力では出会えない企業と出会える

殆どの人はマイナビやリクナビといったサービスを利用し、希望に沿う企業を探していると思います。しかし、当然ながらそのサービスに登録されていない企業は目に入りません。

しかし、就職エージェントを利用することで、本来ならば存在すら知らなかった企業を紹介してもらうことができます。実際、私も多くの企業を紹介される中で「こんな仕事があるのか!」と驚かされた経験は一度や二度ではありません。

では、なぜ就職エージェントは信用ならないと言われてしまうのか

上記のようなメリットを見てみると、就職エージェントは非常に便利なサービスに思えますよね。
しかし、ネットでは悪質、おススメできないなどの意見も多く見受けられます。

さて、ぶっちゃけここからが本題です。なぜ就職エージェントについて否定的な意見が多いのかを、実際に就職エージェントを利用して就活を行っていた立場から考察していきます。

エージェントにとってのお客様はあくまで採用を行う企業

就職エージェントは多くの場合就活生本人から報酬を受け取ることはありません。では、いったいどこから報酬を得ているのかといいますと、採用活動を行っている企業となります。

つまり、就職エージェントの最大の目的はとにかくお金を出してくれる企業側に多くの就活生を送り込むことにあります。これはエージェントも営利を追求する存在である以上仕方のないことです。ですが、就活生ファーストを貫くことが難しくなるのも事実です。3年以内の離職率が高かろうが将来性が危ぶまれていようが、就職エージェントはそれを目立たせないように説明するなどして、その企業の魅力を伝えることに終始せざるを得ません。

就活生というのは不安にさいなまれている生き物です。そんな状況で心を許したエージェントにとある企業の魅力をプレゼンされてしまえば童貞男性よりもコロッと落ちてしまうでしょう。
例えエージェントに紹介されて入った企業が劣悪であろうとも、就職エージェントにしてみれば何の不利益もありません。そのため、就職エージェントに紹介された企業を吟味することを怠れば就職活動は失敗に終わる可能性が高いです。

例として、筆者や知人が実際に紹介された仕事を3つほどご紹介いたします。参考にしていただければ幸いです。

実際に紹介された企業の例

NHKの集金業者

当時就活に行き詰った私が就職エージェントに駆け込み、最初に紹介されたのはNHKの集金活動を主に行っている会社でした。NHKは質の良いドキュメンタリー番組などで支持を得る一方で、その料金体系を疑問視する人も多いです。そのため、NHKの集金業者というのが以下に過酷かは想像に難くないでしょう。実際3年以内の退職率は想像を絶する高さでした。

ですが、私はこの紹介された企業がNHKの集金業者とは気付いていませんでした。あり得ないように思えるかもしれませんが、就職エージェントは「NHKの営業パートナー」として私に紹介したのです。この一件が就職エージェントに対する不信感を募らせる最初の出来事となりました。集金という言葉を使わないことで就活生に良い印象を抱かせようとしたのでしょう。確かに「営業パートナー」と聞くとなんだか高尚なイメージを持ちますよね。

通信機器販売業者

一言で通信機器販売といっても様々な形態が存在すると思いますが、私が紹介されたのはいわゆるポケットWifiなどの対面販売です。イオンを代表とするショッピングモールでよくお客に声をかけて商品の説明をしている方々がいますよね。その企業はそれに近かったです。

行為だけ見れば単純な営業活動ですが、ショッピングモールに足を運ぶ人々は当然ながら買い物をしに来ているのであって通信機器の契約をしに来ているのではありません。そのため人に嫌がられることの多い仕事と言えるかも知れません。各地をのショッピングのを飛び回るため体力的にも大きな負担となるでしょう。

人によってはやりがいを感じる仕事なのでしょうが、少なくとも私が就職エージェントに伝えた希望とはマッチしていない業務内容でした。

某寿司チェーン店

印象業界を勧められることも多かったです。言うまでもなく飲食業界は度々休日の少なさや労働環境の過酷さが取り上げられることが多いため忌避間を覚える就活生が殆どです。

印象業界を勧めるに当たり、就職エージェントが取った手法はひたすらそのチェーン店の業界内での強さをアピールするというものでした。労働環境や休日の少なさにはほとんど触れないことで、あたかも安定した職場であると勘違いしてしまいそうになります。
 とは言え、働く上で大切なのは企業の強さ云々より、身近な労働環境です。下調べをしっかりしておけばこのような杜撰なセールストークに惑わされることもないでしょう。

賢く就職エージェントを使うコツ

上記の例を見て、必ずしも就職エージェントは就活生のために企業を選んでくれるわけではないということがご理解いただけたと思います。それでは、就職エージェントを上手く利用し就活を成功させるにはどうすればよいのでしょうか。

ポイントは二つです

  • 内定先を予め確保して余裕を持つ
  • 自分の譲れないライン(就活の軸)をしっかり持つ

内定先を予め確保して余裕を持つ

就職エージェントは就活生のレベルに合わせた企業を紹介することが多いです。就活に苦戦していた私があまり人気が無いであろう企業を紹介されたのは言ってしまえば当然のことでした。

逆に言えば自己分析や面接対策を既に行い、内定先を保有していればまだ見ぬ優良企業とのマッチングが実現するわけです。就活でやるべきことはエージェントを頼る前に一通り済ませておきましょう。

自分の譲れない就活の軸をしっかり持つ

就職エージェントは紹介する企業をとても魅力的に紹介してきます。彼らも勿論プロなので不都合な部分やこちらの希望とマッチしない部分があったとしても丸め込むことくらい容易です。

そこで流されてしまっては満足のいく就職活動はできません。働き出してから「理想と違う」となれば転職という新たなハードルを越えなくてはならなくなります。

そこで、自分の中で確固たる軸を決めておけばどんなに勧められた企業が魅力的に思えたとしても、すぐには飛びつくことなく冷静になる時間を生むことが出来るのです。

まとめ:就職エージェントは便利だけど難しい

就職エージェントはうまく利用すればまだ見ぬ企業との出会いを生んでくれる存在です。しかし、就活が上手くいかないからと言って泣きつけるような存在ではありません。彼らは、そんな窮地に陥った学生に分相応の企業を紹介するだけです。

就活は今後の人生に大きな影響を与えるイベントです。ここで主体性を投げ捨て判断を赤の他人であるエージェントに任せてしまうのはやはりもったいないです。自分がやりたいことは何なのか、自分の強みが何なのかを十分に理解し、すでに結果を出せている就活生にのみ許された追加コンテンツのような見方をするのが安全なのだと思います。

何度もお祈りメールを貰い、くじけそうになる事もあると思います。しかし決して自分の就活を他人に譲り渡してはいけません。努力を続ければきっと報われる時が来ます。どうかよい就職活動を!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です