フェミニストが萌え絵やオタクを叩く本当の理由3選!仲良くするためにはどうしたらいい?

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ツイッターを始めとするSNSを除いているとしょっちゅう目にするのが、フェミニストを名乗る人々と創作物をこよなく愛する、いわゆるオタクと呼ばれる人々の衝突です。

その抗争の苛烈さは凄まじく、ネットの世界を飛び越えた炎上事件に発展することも珍しくありません。近年では「宇崎ちゃんは遊びたい」の献血ポスターの一件が記憶に新しいですね。献血を募るにあたって使用されたポスターに、同作品のキャラクターが描かれたのですが、それが「性的である」「公共の場に貼りだすべきでない」などの批判を受けました。

これに対して憤ったのが作品のファンを始めとするオタクと呼ばれる人々でした。「わざわざ撤去する必要はない」というのが彼らの主張の中心だった記憶があります。

この事件も「オタク」「フェミニスト」の戦いの歴史の一部分に過ぎません。基本的に、オタク文化が擁する性的な要素を「フェミニスト」が批判することから始まっている点は共通しているようですが。

というわけで、今回はフェミニストが萌え絵やオタクを叩く3つの理由と、仲良くするにはどうすればよいのかを考察していきます。

叩きやすい「オタク文化」~ヒトヒトの実モデルサンドバッグ~

フェミニストとオタクの仲の悪さは、結局の所フェミニストオタク文化の相性の悪さに起因します。自分の愛する二次元文化を攻撃されれば当然オタク達は憤るでしょう。

ここまでオタク文化への攻撃にオタクが怒っている、という書き方をしてきましたが、前提としてポスターなどの「排除」にはオタク層以外の人々も反対していたことも明記しておきます。論点を分かりやすくする都合で、本記事では「フェミニスト」と「オタク」という対立構造を使わせていただきます。

話を戻しますと、オタクや萌え絵へのバッシングは、それらの叩きやすさにあるようです。

二次元は戦いやすさと分かりやすさを兼ねそろえた対戦相手

批判者

こんな性的で卑猥なものを貼りだすなんて女性蔑視だ

上記のような投稿は言うまでもなく波紋を呼びます。対象はご当地キャラクターかも知れませんし、漫画のキャラクターかも知れません。

しかし、波紋を呼ぶとは言ってもそれには限度があります。なぜなら、ツイッターは政治運動や世直しを行う場ではないからです。いくらツイッター上で話題になろうとそれにより世の中が動くことは殆どないと言ってよいでしょう。

これは女性の地位向上という日本が解決すべき課題についても例外ではありません。SNSへの書き込みを行ったところで女性の政治家は増えませんし、DVに怯える女性が救われるわけでもありません。

しかし、SNSの炎上で変えられる程度の事案ならどうでしょうか。世の中を変えることはできずとも、クレームを入れてポスターを引っ込めさせたり、集団でご当地キャラを撤廃させたりということは可能です。いわばこれらが成功体験となってしまったのです。これ自体が世直しになっているのかは置いておいて、変革を起こしているのは間違いないですからね。戦いやすい相手なのです。

フェミニスト達にとっては勝利条件が明白なのも、「二次元叩き」の魅力でしょう。難しい社会問題に切り込むとなると、その成果を確認するためには正確なデータを分析する必要があります。その成果を出すまでには数年もの時間がかかるかも知れません。しかし、対戦相手がポスターやキャラクターといった実体を伴うものならどうでしょうか。シンプルにそれらを撤去させればすぐにでも勝利を確信することができます。

成果の分かりやすさ。これも、その手の騒動がより盛り上がりを見せる要因でしょう。

未だに残る「オタク」への偏見

オタクへの差別意識が、二次元叩きを加速させているのは事実でしょう。昔に比べればアニメや漫画も一般に受け入れられたとは言え、人によってはまだ否定的な感情を持つ人もまだ多いです。オタク的な趣味を卒業し妻子を養う、このような前時代的な「普通の男性」の価値を高めるためにオタク的な人は見下されるのです。

これは当然、創作物に対して「女性蔑視だ!」と叫ぶ人々にとっても例外ではありません。彼らは劣っているのだから攻撃しても良いと言う意識がより過激な運動を起こしてしまう原因と考えられます。

また、フェミニストを名乗る女性も結局の所、引っ張ってくれる男性や、強さを感じさせる男性を好むという現実があります。注意して欲しいのはこれは決して女性が悪い、という話ではありません。強い男を求めるのは女性の本能による部分が大きいからです。男性も若い女性を好むと言った「偏り」がある以上、批判したところでダブルスタンダートに陥ります。

話を戻すと、ステレオタイプの強い男性を求める女性陣から見れば、オタクという要素はあまり魅力的には映りません。なので、オタクという人々は彼女達から見れば「嫌われたところでどうでもいい相手」となります。これは前述の「戦いやすい相手」にも通じる所ですね。

つまり、オタクを攻撃する分には「女性を口説ける魅力的な男」から直接的な反感を買いません。攻撃する際のリスクの低さもまた二次元叩きの魅力なのです。

フェミニズムが「精神の豊かさ」を求め始めた

創作物の数が増えてオタク文化がより目立つ存在となったとは言え、これほどまでにフェミニズムの観点から表現規制が叫ばれるようになったのは最近のことのように思えます。

しかし、露出の多いポスターを撤去させたりしたところで決して女性たちの暮らしは良くなりませんし、メリットとしては「私たち(フェミニスト)が不快な思いをしない」程度のものです。傍から見たらかなり奇妙な運動のように思えます。しかし、筆者の考察を含みますが、それにはフェミニズムそのものが「物質的な豊かさ」を追い求める段階を超え、「精神的な豊かさを」求めるフェイズに移ったという背景があるようです。

「物質的な豊かさ」と「精神的な豊かさ」って?

「物質的な豊かさ」は、簡単に言えば多くの富を保有していることで得られる豊かさのことです。

 

  • 高級車を保有している
  • マイホームを購入する
  • お腹一杯食べられる

これらは物質的な豊かさに分類されます。物欲を満たすことはお金を稼ぐモチベーションにもなりますし、長らく重視されてきた豊かさの形です。

それに対して「精神的な豊かさ」は物欲ではなく、心がどれだけ満たされているかが基準となります。例を挙げると

 

  • 身近に褒めてくれる人がいる
  • SNSでいいねを貰える
  • 不快な思いをせずに暮らせる

これらの目に見えない幸せが「精神的な豊かさ」です。基本的に生活が危ぶまれている状況だと人は「物質的な豊かさ」を求め、ある程度生活に余裕が出てくると、「精神的な豊かさ」にシフトしていくと言われています。

女性が豊かになってきたからこそ「オタク」は叩かれる

萌え絵やオタク文化に対して「性的搾取だ!」という発言の裏には

不快な思いをしたくない
 
という心理があります。「精神的な豊かさ」に該当しますね。
女性は長らく経済的に不遇な位置に立たされていました。家庭の外に居場所を求めることも難しく、家父長制の檻に物理的に閉じ込められていたという指摘もあります。
 
 
このような状況で、フェミニスト達は果たしてポスターを剥がさせたりご当地キャラをバッシングしたりといった運動で今ほど盛り上がったでしょうか。恐らく盛り上がらなかったと思います。
 
というのも、昔のフェミニズムは女性の地位向上という切実な問題に取り組み、まずは男性と同等の「物質的な豊かさ」を手に入れる必要がありました。自分と直接関係ないオタク文化に注意を払い炎上させる余裕など無かったのです。
 
ですが、今や若者に限って言えば男女の収入差はかなり縮まっていますし、家父長制も過去のモノになり、物質的には満たされてきていると言ってよいでしょう。そのため、彼女らにとって「不快なもの」である萌え絵オタク文化を排除して「精神的な豊かさ」を勝ち取ろうとするくらいには余裕が出てきたのです。
 
「物質的にある程度豊かになったので、これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたい」と答えた者の割合が62.0%、「まだまだ物質的な面で生活を豊かにすることに重きをおきたい」と答えた者の割合が29.6%となっている。 出典「内閣府 国民生活に関する世論調査 令和元年度」
 
これは国民生活に関する内閣府が行った世論調査ですが、これと同じことがフェミニズム界隈でも起きているのでしょう。
 
 
 
批判者

物質的に満たされてきた今、新たなる敵はオタク文化だ!

オタクをバッシングするフェミニストには上記のような心理が働いているのかも知れませんね。

フェミニストもオタクも主戦場はツイッター

二次元をバッシングする、いわゆるツイフェミと呼ばれる人々は主に大手SNS「ツイッター」に生息しています。自分の主張に対して共感を貰ったりするのは大いにフェミニストとしての運動の原動力となるでしょう。

しかし悲しいかな、これまで散々相性が悪いと述べてきた「オタク」もツイッターに多く生息しているのです。インスタグラムフェイスブックに比べ、描いたイラストを投稿して評価しあったりするのにはツイッターが適しています。トレンドを見ても、よくアニメやゲームのワードがずらりと並んでいます。少なくとも「オタク」御用達のSNSであることは間違いないです。

食い合わせの悪い両者が同じSNSにひしめき合っているのですからトラブルは避けられません。同じ展示室にハブとマングースを放り込むようなものです。フェミニストは見たくもない萌え絵を見せられ、オタクは見たくもないバッシングを見せられます。これでは互いの溝が深まるのも無理はないでしょう。

仲良くするにはどうしたらいい?

これまでフェミニストがオタク文化を叩く理由を長々と書いてきましたが、もちろん仲良くできることに越したことはありません。余計な炎上事件が無くなれば、フェミニズムが抱える風評被害も解決しますし、オタクサイドも安心して作品を楽しむことが出来ます。

というわけで、フェミニスト陣営に出来ることと、オタク陣営に出来ることをそれぞれご紹介いたします。

フェミニスト陣営に出来ること

萌え絵やオタク文化に嫌悪感を持つのは個人の事由ですし、仕方のない部分もあるのではないかと思います。しかし、それを排除しようとしないのが大切です。無理に排除しようとすればフェミニズム全体に「気に入らないものを排除する思想」という印象が根付いてしまい逆効果です。

多様性のある社会は全員が少しづつ不快な社会です。嫌いなものは嫌いでいいですが、ただそこに存在することを許す姿勢は身に付けましょう。

そして、戦う相手を間違えてはいけません。そもそもオタク界隈は女性に対して特別危害を加える集団ではありません。フェミニストが気に入らないものの排除に躍起になっている間にも、無責任に離婚を繰り返し、シングルマザーを量産したり、女性を一夜限りの相手としか認識しない男に苦しめられている女性はいます。

確かにオタク叩きはローリスクで表面上の達成感を与えてくれはしますが、その先には何もありません。

本来、フェミニズムは女性たちに自分らしい生き方を提供するためのものです。「炎上ポルノ」は卒業し、フェミニズムらしい活動をするのが一番です。

オタク陣営に出来ること

ここまで散々一部のフェミニストをこき下ろしてきましたが、オタク陣営にも出来ることはあります。それは、「正しいフェミニズム」と、排除を伴う「有害なフェミニズム」をしっかり区別することです。

確かに「有害なフェミニズム」は炎上の火種にしかなりませんが、「正しいフェミニズム」は男性が背負わされる理不尽な責任を取り除く作用があります。ぶっちゃけ、責任を負うことに抵抗のある男性にとっては結構おいしい話です。

フェミニストの主張だからと言って反射的に否定してしまえば、男女双方が損をしかねません。

界隈で一括りにして批判しない、というのが和解の第一歩だと考えられます。

 

まとめ

フェミニストがよく萌え絵やオタクを叩く理由は……

  • オタク文化そのものの叩かれやすさ
  • フェミニズムが「精神的な豊かさ」を求め始めたから
  • フェミニストもオタクもツイッターを利用しているから

以上の三つの要因が大きいようです。

とは言え、フェミニストは戦う相手を間違えず、気に入らないものの排除を止める。

オタクと呼ばれる人々は「フェミニズムの善悪」を区別し、界隈で一括りにしない。

これらが達成されればバッシングが減っていくのではないかと私は思います。ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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