皆さん、学校生活の中で一度くらいあれを書いたことがあるはずです。
そう、「将来の夢の作文」です。
思い出しますね。突然何枚かの原稿用紙を配られて、あなたの夢を書け!と言われるんですよね。
将来の夢なんて何もなかった私は本当に苦労しました。いくら漢字をひらがなで書いて文字数を稼いだり、意味もなく改行したりしても肝心の中身が無いようではどうしようもありません。
その時の私の夢は「帰ってゲームしたい」でした。あと数時間経てば叶うので安い夢ですね。
当時から私はこの謎の茶番に疑問を感じていました。いったい何の意味があるのかと……。
というわけで、本記事では学校で子供たちに「将来の夢」を書かせる行為を今すぐやめるべき理由を解説していきます。
子供たちが将来の夢を書いて一番喜ぶのは誰でしょうか。勿論子供たちではありません。彼らのほとんどは無理やり書かされているだけでしょう。
答えは「親」です。
自分の子供の将来の夢で盛り上がる保護者達を私は鮮明に覚えています。子供たちが読み上げる作文を、授業参観で訪れた親御さんたちが楽しみにしているのです。
さらに質が悪いのは、かわいらしい夢や大きな夢が喜ばれるという点です。女の子ならアイドルや花屋さん、男の子ならサッカー選手や警察官でしょうか。
これらの夢が決して悪いとは言いません。むしろ将来に希望を持つのはとてもいいことです。しかし、このような夢を持つ子供ばかりをもてはやすのは、「クラスの殆どは会社員になる」という現実を無視しているように見えてなりません。後々現実を突きつけるような真似をしては、子供から見ればまさしく梯子を外された気分でしょう。
大人の視点から「子供らしい夢」を期待するのではなく、本人と話し合い自分に合った将来を歩めるようサポートして欲しいものです。
実際私は何の夢もなかったくせに、親をがっかりさせたくないという理由で「サッカー選手になりたい」と言っていました。ちなみに当時の私の最高リフティング回数は3回です。
親の娯楽と化した形式的な作文なのであれば、そんなものは不要ではないでしょうか。
高学年にもなると開き直って何も決まってませんって書いてました・・・
そもそもの話をしてしまいますが、「将来の夢」を聞かれているのになぜ子供たちは「将来就きたい職業」を書かされているのでしょうか。これは私も子供ながらに不思議でたまりませんでした。
殆どの人にとって仕事は人生の目的ではありません。つまり、なりたい職業を決めたところで「人生の目的」は決まりません。
この職業に就いてどうしてもやりたいことがあるんだ!
このような夢ならばよいのですが、大半の人々はそうではありませんからね。
例えば、大きな犬を飼って田舎で暮らす、というのも立派な夢なのではないでしょうか。時間に縛られずのんびりとした暮らしがしたいのも素晴らしい夢です。
このような一見ぼんやりとした夢でさえ、「じゃあ田舎で広めの土地に家を建てよう」だったり「フリーランスで働きやすい職業を見つけてみよう」などと具体的なライフプランが浮かび上がります。
例えそれが職業ではなかったとしても、本心から出た夢なのであればきっと子供たち自身のためになってくれるはずです!
というわけで、子供たちに「将来の夢」を書かせるのを今すぐ止めるべき理由をご紹介いたしました。なんというか、職業ありきで話を進めてしまうのがとても言い方は悪いですが「気持ち悪いなあ」と思ってしまいました。
職業ですらない、一見取るに取らないような夢でもそこに本音とかが隠れているのではと思った次第です。
学校には、これからの子供たちに「いろんな生き方があるんだぞ」ということをもっと伝えていって欲しいですね。
ここまでお読みいただきありがとございました!
ヒカゲ 20代にして自らのスペックの低さから、職場では窓際一直線系男子。趣味はスキーや旅行、漫画やゲームと多種多様です。物を書くのを苦としない特殊な生態をしており、手紙やメールなどの研究中!